プリンターは、家庭でもオフィスでも欠かせないツールですが、いざ購入するとなると、種類や機能が豊富でどれを選べば良いのか迷ってしまうことも多いですよね。
今回は、プリンターについて機器タイプ別にわかりやすく解説し、シチュエーションに応じたおすすめプリンターを紹介します。
プリンタの仕様を整理してみた
場面・用途に応じた機器タイプの違い
プリンターにはさまざまな種類があり、使用する場面や用途によって適した機種が異なります。まずは複合機プリンター、単機能プリンター、モバイルプリンターの3つを比較して、それぞれの特徴と利便性の違いを解説します。
複合機プリンター
複合機プリンターは、印刷以外にもコピー、スキャン、ファックスといった複数の機能を1台で行えるのが特徴です。これにより、複数の機器を別々に購入する必要がなく、オフィスや家庭での作業が効率的に行えます。デメリットとしては、単機能プリンターに比べて、多機能な分、購入コストが高くなる傾向にあります。機能が充実しているため、必要な用途にだけ使用する場合にはコストパフォーマンスが低いと感じることもあります。
単機能プリンター
単機能プリンターは、複合機と違い印刷に特化したシンプルな機種で、コピーやスキャンなどの追加機能を持たないのが特徴です。印刷機能に特化しているため、複合機よりも価格が低くなる傾向にあります。初期コストを抑えたい場合や、シンプルな用途に十分な場合、非常に経済的です。
モバイルプリンター
モバイルプリンターは、据え置き型のプリンターとは異なり、持ち運びが可能なコンパクトなプリンターで、外出先や移動中でも場所を選ばず印刷ができるのが特徴です。一方で、印刷速度やインクの容量など、性能が据え置きプリンターより劣る傾向にあるため、注意が必要です。
印刷方式の違い
続いては、インクジェットプリンターとレーザープリンターの2つを比較して、それぞれの印刷方式や特徴の違いを解説します。
インクジェットプリンター
インクジェットプリンターは、液体インクを紙に直接噴射して印刷します。写真やカラー印刷に適しており、色のグラデーションや細かな色調の再現力が高いのが特徴です。また、写真用紙、はがき、普通紙など、さまざまな用紙に対応しており、ラベル印刷や名刺印刷、封筒など、幅広い用途で使える点も強みです。しかし、印刷速度の遅さやインクのランニングコストが高いこと、インクが水に弱くにじみやすい点など、用途や使用頻度によってはデメリットを感じることもあります。
レーザープリンター
レーザープリンターは、トナーと呼ばれる粉状のインクを使い、レーザー技術によって紙に印刷を行う方式のプリンターです。トナーを静電気で一度に紙に転写するため、インクジェットプリンターに比べて非常に速く印刷できるのが特徴です。また、文字や細かい線を鮮明かつくっきりと印刷できるため、報告書や契約書など、正確さが求められるビジネス環境に最適です。デメリットとしては、購入コストが高く、写真やカラー印刷には不向きな点があります。
あると便利な機能
プリンターには、基本的な印刷機能だけでなく、さまざまな便利な機能が搭載されていることがあり、これらを上手に活用することで作業効率が大幅に向上します。特にあると便利な機能をわかりやすく解説するので、プリンターを選ぶ際の参考にしてみてください。
Wi-Fi接続
Wi-Fi対応プリンターは、パソコンやスマートフォンとケーブルを使わずに接続できるため、印刷作業が一層便利になります。Wi-Fiに接続されたプリンターなら、部屋のどこからでも簡単に印刷を開始でき、複数のデバイスからも同時に利用可能です。さらに、AppleのAirPrintやGoogle Cloud Printなどのクラウド印刷サービスを利用することで、外出先からでも簡単に印刷ができるので、緊急時の対応にも役立ちます。
自動両面印刷機能
自動両面印刷機能が搭載されているプリンターは、紙の両面に自動的に印刷を行うため、手動で紙を裏返す手間が省けます。この機能を使うことで、紙の節約はもちろん、大量印刷時に時間を大幅に短縮することが可能です。ビジネス文書や報告書、さらには家庭での資料作りでも役立ちます。
タッチスクリーン操作パネル
プリンターの操作パネルにタッチスクリーンが搭載されていると、設定や操作が非常に簡単になります。視覚的に分かりやすく、直感的に操作できるため、初心者でも使いやすいのが魅力です。メニューや設定項目をすぐに呼び出し、印刷ジョブの管理も簡単に行えるため、作業がスムーズになります。
場面・目的別おすすめプリンタ
上記を踏まえたうえで、場面・目的・価格など具体的なシチュエーション別のおすすめのプリンターを家庭用と業務用とで分けて紹介します。
家庭用おすすめ
本体が安く入手できて、最低限の機能のみでOK
Canonの「PIXUS TS203」は、複雑な機能を省いたシンプルなインターフェースで、誰でも直感的に使える単機能のインクジェットプリンターです。
スキャナーやコピー機能がなく、純粋に「印刷」だけを行う単機能プリンターなので、使い方に迷うこともなく、初めてプリンターを使う方や、プリンターに多機能を求めないシンプル派の方におすすめです。
カラー印刷のクオリティが高い(年賀状印刷/写真印刷などを想定)
Epsonの「カラリオ EP-886A」は家庭での高品質印刷を実現する複合機プリンターです。
6色インクを採用しており、鮮やかで高精細な色再現が可能です。特に写真印刷においては、細部まで美しく再現され、グラデーションや肌の色合いも自然に表現します。家庭でのカラー印刷を頻繁に行いたい方にもおすすめなモデルです。
一度に大量の紙をセットすることが可能であり、印刷自体も速い
Canonの「Satera LBP621C」は、コンパクトでありながら、優れた印刷品質と高速性を兼ね備えた単機能のレーザープリンターです。
レーザープリンターならではの高速印刷を実現しており、カラー・モノクロともに18枚/分の速度での印刷が可能です。また、コンパクトなデザインをしており、自宅の作業スペースなどでも場所を取らず、必要なところにすっきりと収まります。
インク代などが安くランニングコストが低い
Canonの「PIXUS XK130」は、今秋発売したPIXUS XKシリーズ最新モデルの複合機インクジェットプリンターです。
低ランニングコストで高精度な印刷が可能で、自動両面印刷やWi-Fi接続にも対応しており、家庭で手軽に高画質な印刷を楽しみたい方や、効率的な文書印刷を求める方におすすめです。
コンパクトで外出先に持ち運びが出来る
Canonの「モバイルプリンター TR153」は、外出先でも高品質な印刷を手軽に行える、コンパクトで使い勝手の良いモバイルプリンターです。
Wi-Fi接続に対応しており、スマートフォンやタブレット、PCからケーブルを使わずに簡単に印刷することができます。また、カラーに強い染料インクとモノクロ印刷に最適な顔料インクを搭載しており、高品質な印刷をどこでも手軽に行いたい方におすすめです。
ビジネス用おすすめ
本体が安く入手できて、最低限の機能のみでOK
Epsonの「PX-S505」は、スリムでコンパクトなデザインが特徴な、業務用の単機能インクジェットプリンターです。
省スペース設計により、デスクやキャビネットの上にもスッキリと収まり、設置場所に困りません。また、全色顔料インクを採用しており、水に濡れてもにじみにくく、文書がとてもきれいに印刷できます。価格も安く、低コストで高精度な印刷を求める方におすすめです。
カラー印刷のクオリティが高い
Canonの「TR9530a」は、今秋発売したばかりの複合機インクジェットプリンターの最新モデルです。
5色の染料・顔料ハイブリッドインクで、写真や文書がくっきりきれいに印刷可能です。また、A3サイズまで対応しており、ポスターやプレゼンテーション資料、図面など大判印刷が必要な場面でも簡単に高品質な印刷が可能です。その他にも、自動両面印刷機能や操作しやすいタッチパネルなどを搭載しており、様々な機能をこなせる複合機を探している方におすすめです。
一度に大量の紙をセットすることが可能であり、印刷自体も速い
Canonの「Satera MF654Cdw」は、高速印刷が可能な業務用の複合機レーザープリンターです。
カラー、モノクロ共に最大21枚/分という高速印刷が可能で、オフィスで大量の文書を処理する際や、急ぎの仕事にも対応できるスピードが特徴です。カラー印刷、コピー、スキャン、ファクスなど複合機の基本的な機能が搭載されているほか、自動両面印刷、Wi-Fi対応、タッチパネル搭載など、あると便利な機能もビジネスに役立ちます。
インク代などが安くランニングコストが低い
Canonの「GX2030」は、特大容量タンクで低ランニングコストを実現した複合機インクジェットプリンターです。
「ギガタンク」と呼ばれる特大容量インクタンクを搭載していて、1回のインク補充で数千ページにわたる印刷が可能です。それにより、インクカートリッジを頻繁に交換する手間が省け、1ページあたりの印刷コストも大幅に削減されます。また、複合機としてコピー、スキャン、ファクスなどの機能も標準搭載しているので、コスト削減と機能性を求める方にもおすすめです。
Windows11で認識しなくなった古いプリンターを使用可能にする方法
PCの買い替えや、OSをWindows 11にアップデートした後、今まで使えていたプリンターが認識されなくなり、使えなくなった事はありませんか?
古いプリンターが認識されないのは、プリンターのドライバーがWindows 11に対応していないのが主な原因です。
そこで最後におまけとして、Windows11で認識しなくなったプリンターを使用可能にする方法をいくつか紹介します。
1.互換性モードで古いドライバーをインストールする
主な手順としては、
- 認識しないプリンターの公式サイトから、Windows 10やそれ以前のバージョンに対応したドライバーをダウンロードします。
- ダウンロードしたドライバーのインストーラーを右クリックし、「プロパティ」を選択します。
- 「互換性」タブを開き、「互換モードでこのプログラムを実行する」にチェックを入れます。
- ドロップダウンメニューから、Windows 7やWindows 8など、動作が期待できる過去のバージョンを選択し、インストーラーを実行して、ドライバーをインストールします。
ここまで進めたらコントロールパネルの「デバイスとプリンター」を開き、プリンターが認識しているか確認してください。
認識していない場合はここから、
- コントロールパネルを開き「ハードウェアとサウンド」→「デバイスとプリンター」を右クリックで新しいウィンドウで開くを選択。
- 「デバイスとプリンター」一覧にある認識したいプリンターのアイコンを右クリックし「プロパティ」を開く。
- 「プロパティ」の「ハードウェア」タブ下部にある「プロパティ」を開き、「ドライバー」タブの「ドライバー更新」を開く。
- 「PC上のファイルを指定」を選択し、先ほど互換モードでダウンロードしたドライバーを指定する。
2.「プリンターの追加」から手動で追加する
上記の方法で解決しない場合は以下の方法を試してみてください。
- コントロールパネルを開き「ハードウェアとサウンド」→「デバイスとプリンター」を右クリックで新しいウィンドウで開くを選択。
- 上部タブの「プリンターの追加」を選択し、「プリンターが一覧にない場合」をクリック。
- 「ローカルまたはネットワークプリンターを手動設定で追加する」を選択する。
- 「既存のポートを使用」のドロップダウンメニューから認識させたいプリンターのポートを選択。
- 一覧から認識させたいプリンターの型番を選択する。
一覧に認識させたいプリンターの型番がない場合は、「ディスク使用」から互換モードでダウンロードしたドライバーファイルを指定してみてください。
まとめ
プリンターは機能も多く、さまざまな種類があります。目的に合った最適な一台を見つけてくださいね。
今回の記事がプリンター選びの参考になれば幸いです(尚、最終的な機器購入のご判断はご自身の責任にてされるようにお願いいたします)。